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ウルトラセブンの12話が被爆者差別につながるからという理由で、放送数年後より、『今後非公開』ということになり、以降、『幻の12話』として再放送、ビデオ、DVDからも抹消されている、という話を聞いたのは割と最近のことだった。
好きな人の間ではずっと昔から当たり前の話だったんだろうが、私は別にマニアでもないので、 「ほんじゃあ、見た事ないのかなあ」 てな具合で、そんなに関心があるわけでもなかった。 が、最近、YouTubeにその12話がアップされているということを知ったので、見てみた。 本放送を見た年代ではないので、やっぱり見た覚えはなかった。 相変わらず、子供番組とは思えない凝ったカメラワークやBGM、やたら長いデートシーンのカットなど、さすがはウルトラセブンと感心したが、内容的にはなんちゅうことはない。 スペル星人のデザインも全く冴えないし、ストーリー的に納得できないところもあって、ディテールの設定がいい加減だなあ、といった程度の出来。 『被爆』とか『原爆症』とかいった言葉が出て来たが、内容的に特に問題になるような点は感じなかった。 「どうしてこれが問題になるんだ?過剰反応じゃないのか?」 と疑問だったけれど、ネットの映像じゃ粗いし暗いので、改めてスペル星人についてネットで調べてみたら、なるほど、こりゃ問題にされるかも知れないと思った。 スペル星人は『被爆星人』で、全身にケロイドがある。 どうやら、問題にされていたのは、内容じゃなくてこの配慮に欠けたスペル星人のデザインと『被爆星人』というネーミングだったらしい。 当時は戦後20年ちょっとで、まだまだ原爆の記憶も生々しかっただろうし、悪意がないということがわかったとしても、原爆の惨状を知っている人達からすれば、確かに見ていて気分のいいもんじゃないだろうな。 無神経だと批判されても仕方がない。 まあ、映像的には暗くてケロイドとかははっきり見えないんだけど、後から出た本の付録での写真が問題の発端になったらしい。 ずいぶんと時間が経ったことだし、注釈を加えるような形でそろそろ復活させてもいいんじゃないかという話もあるらしいけど、まあ、お蔵入りさせておくのはもったいないっていうような出来じゃないから、そのままでもいいんじゃなかろうか、と個人的には思う。 見たい人はネットで曲がりなりにも見れちゃう時代だし。 そのYouTube自体の存続がそろそろ怪しいという噂もあるけど。 幻の12話は、勝手に想像が膨らんで、 「凄い内容かも」 なんて『幻想の12話』になっちゃってる気配あり。
by onikobu
| 2006-08-14 01:10
| 絵雑記
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