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私の職場はビルの7階にあって、窓から隣のビルの屋上が見おろせる。
そこには若い柴犬が一匹飼われている。 以前は、足が硬直して、トコッ、トコッ、と、ロボットみたいに歩く老犬が長らく飼われていたが、ついにお亡くなりになったようで、1年ぐらい前からこの柴犬に変わった。 昼になるとエサをもらえるのか、屋上出入り口のドアに顔を向けて、じっと座ったままドアが開くのを待ち続けている姿が、なんともいじらしい。 今年の東京の夏は、それほど猛烈な日差しの日が多くないので多少はましだろうが、それでもやはり屋上に放されている暑さは相当大変だろうと同情する。 昼間は大抵、日陰になっている場所で横になって寝ているようだ。 その寝姿が可愛いなあと眺めていると、犬の側にプーさんの縫いぐるみがいつも落ちていることに最近気づいた。 見るたび、プーさんはうつ伏せに倒れている。 犬用のおもちゃとして飼い主が与えたものなんだろうが、それで遊んでいるようなところを見た事がない。 プーさんの体勢も落ちている場所も変化無いようだから、犬は全く興味がないんだなと思っていた。 で、今日の帰り際、隣の屋上を見てみると、犬の姿が見あたらない。 どこにいるんだろう、と探してみたら、いつも寝ている場所とは反対の端のほうに移動していた。 犬の側にはプーさんがいつものようにうつ伏せで倒れている。 「ああ、ちゃんとくわえて近くに持って行くんだなあ」 なんだかとても可愛かった。
by onikobu
| 2006-08-31 01:35
| 絵雑記
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